ツィハバ洞窟は間違いなく、ボツワナで最も自然で人里離れた観光地のひとつです。洞窟はアハ・ヒルズの南東50kmに位置し、アハ・ヒルズと同様に、起伏に富んだカラハリの砂丘地帯にあります。洞窟の入り口にある砂で覆われた岩の2つの突起はあまり目立ちませんが、洞窟には数々の不思議が秘められています。そのうちのひとつは、魅惑的で壮大な鍾乳石の連なったカーテンです。
ツィハバ洞窟は、通路と洞穴が複雑に入り組んだ迷宮です。通路と洞穴は2段になっており、一方の段はもう一方よりも数メートル高いところにあります。
洞窟内でしばしば遭遇するコウモリの大群は、騒がしいだけで全く害はありません。洞窟内には、奇妙な岩層や、様々な美しい淡い色のフローストーン、鍾乳石、穴、回廊、水路、ホール、洞口、「凍った滝」のように見える岩などに通じる、迷路のような通路があります。
これらの壮大な洞穴や地層、10mもの高さや長さのある石筍や鍾乳石は全て、白雲岩を溶かしてしみ出てきた水滴によって浸食され、形成されました。この手つかずのエリアは完全に人里から遠く離れていますが、数日かけて探索することをお勧めします。洞窟は非常に辺鄙なところにあるため、必要なものを全て準備して持っていく必要があります。
クン語では、ツィハバ丘陵にあるこの洞窟の名前は「ハイエナの穴」を意味します。
ツィハバ洞窟が初めてヨーロッパ人の知るところとなったのは、1930年代半ばのことです。クン族がハンツィで農業経営者をしていたマーティヌス・ドロツキーに洞窟を見せたことから、長年この洞窟は「ドロツキーの洞窟」として知られていました。
多くの洞窟と同じように、ツィハバには秘宝伝説があります。ハンツィを興した途方もない大金持ち、ヘンドリック・マティアス・ファン・ジルが19世紀の終わり頃、ここに財産の一部を隠したと言われています。
アクセス
四輪駆動車を用意する必要があります。マウンを出て、トテンやセヒトワを経由し、ツァウに着くまでそのまま進ます。セヒトワ-セプパ間は完全な舗装道路です。ツァウを過ぎて1.5kmほど行くと、「ツィハバ洞窟へ」と書かれた国立博物館の案内標識があります。ここで左折し、砂道を130km進みます。この砂道には砂が深い部分があるため、進むのに苦戦するかもしれません。
永遠に続くかに見える、木が生い茂る起伏のある地域を通過します。車の距離計を確認しながら進み、130km行くと、緩やかな下り坂になり、やがて左折を指示する二つ目の国立博物館の案内標識があります。さらに干上がった川床沿いを約30km進むと洞窟に至ります。もしンツアィンツアィに到着してしまったら、行き過ぎです。村で洞窟の方向を尋ねてください。洞窟に近づくと、地表から盛り上がって坂のようになっている場所と、砂で覆われた岩の隆起が2つ見えるはずです。ここが洞窟の入り口です。
洞窟の見学
ツィハバには2つの主要な入り口があり、直線距離では約250mですが、洞窟の中は曲がりくねって、長い道のりとなっています。洞窟に慣れていない方は、北側の入り口から、洞窟内に案内標識と目印のひもが張られているメインルートを利用したほうが良いでしょう。洞窟を訪れる方は、強力な懐中電灯と電池を数個と、マッチやライターのような非常用の光源を持参する必要があります。
道路の終着点から丘陵を半分ほど登ったところに隠れている低いほうの入り口から始まる通路が、一番通りやすい通路です。大きな空洞に出た後は、どんどん急になっていく通路を下っていくことになります。唯一危険なのは、穴に向かって少しの間垂直に這うように降り、反対側を登って岩棚に向かうところで、広い空間に出るまでに狭い難所があります。
残りの1kmは、面白そうな脇道がたくさんある通路や空間を次々と通過すると暗闇に至ります。途中には様々な種のコウモリがいるので、注意して観察してみましょう。最も一般的な種は、オオカグラコウモリです。出口に近づくと、急な瓦礫の坂の上から漏れ込む光が目に入るはずです。洞窟を抜けた後は、丘陵の頂上まで登り、カラハリを一面紫色に染めて沈む夕日を眺めるのも素晴らしい体験です。
洞窟は非常に乾燥していますが、入り口付近のアカシアの木の下は快適なキャンプサイトになっています。高いほうの入り口付近では、ツチブタの巣穴に注意してください。車ならはまり込んでしまい、歩行者はうつぶせに転んでしまうか、砂に膝まで埋まってしまいます。