それほど昔のことではありませんが、カサネは人里離れた忘れられがちな小さな村でした。しかし、主要な観光ルート沿いという戦略的な立地(ボツワナ、ザンビア、ジンバブエ、ナミビアの4か国の国境が交わる地点)のおかげで、カサネは近年急速な拡大を遂げました。カサネから6km東のカズングラ地区には、ボツワナとジンバブエの間の国境検問所と、ボツワナとザンビアの国境を運行するカズングラ・フェリーの船着き場があります。
ボツワナ北東部のチョベ川沿いに位置するカサネは、チョベ国立公園にスムーズに行ける活気あふれる小さな町です。カサネはチョベ国立公園の北部の玄関口となっています。カサネからチョベ国立公園に入る入り口は1か所で、川の南側にあるセドゥドゥ・ゲートです。公園と町の間には境界の柵がないので、ゾウやカバをはじめとする野生動物の姿が、路上やカサネのキャンプ場などで頻繁に目撃されます。セドゥドゥ・バレー道路沿いに立っている多数の巨大な枯れ木は、この地域に多数生息しているものの、なかなか姿を見せないヒョウを見つけるのに理想的な場所となっています。
町にはガソリンスタンドや銀行、商店、川沿いに並ぶロッジなどが数多くあり、町からわずか4kmのところには国際空港もあります。ロッジでは朝と夕方に、遠くはセロンデラまで、公園内をサファリ・ドライブするサービスが提供されています。
カサネには貫禄のある古いバオバブの木がありますが、それにはいわくがあります。現在は、木の後ろにレンガの建造物がありますが、それが建てられる以前の20世紀初期には、空洞化した木の幹の中心部が長年にわたり地元で牢屋として使われていたのです。
カサネを出てしばらく車で進むと、カサネ急流の近くにあるチョベ川の湾曲部に到着します。このエリアにはピクニックできる場所がたくさんあり、急流の近くで見られる豊富な鳥たちを眺めるにも最適です。アフリカヒレアシやハシグロカワセミなどの珍しい種を注意深く探してみてください。川沿いのロッジの多くが行っているリバークルーズは、川辺に集まる鳥や野生動物を至近距離から見る絶好の機会となっています。チョベ川に沈む壮大な夕日は、アフリカで最も写真に撮られている景色の一つと言えるでしょう。
カサネは釣りのスポットとしても人気があります。カサネを流れる水路には、タイガーフィッシュやブリームをはじめとする様々な種の魚がいます。ほんどのロッジで、フィッシング・サファリの手配ができ、ボートや釣り具もレンタルできます。
カサネを訪れる方は、カサネ・ホット・スプリングスの天然鉱物温泉や絶好の釣りスポットであるインチンゴ・フィッシングキャンプにも足を運べます。チョベ川に浮かぶセドゥドゥ島では、青々とした平野でゾウやカバ、バッファローが草を食んでいます。サファリやバードウォッチングをするのに人気の場所でもあります。カサネに滞在している間に、夕方のリバークルーズやチョベ川急流ツアー、中が空洞になっている古いバオバブの木の見学などに、ぜひ出かけてみてください。
カサネからは、西にあるナミビアのカプリビ回廊と、東のジンバブエとザンビアの国境にあるビクトリアの滝という、2つの観光地にも行くことができます。