2,578km2の面積を有するナイ・パン国立公園は、マカディカディ・パン国立公園の姉妹公園であり、同公園の近くに位置しています。マウンとナタを結ぶ道路のマウンから136kmの地点、または東から来る場合はグウェタの分岐点から65kmの地点に、目立たない脇道があります。この深い砂道をkmキロ進むと、ナイ・パンの入り口ゲートに着きます。この道の砂質をあなどってはいけません。移動は四輪駆動車のみで行うべきであり、深い砂道を走る前に四輪駆動に切り替えておきましょう。また、シャベルも持って行った方が良いでしょう。公園内には補給用の燃料はありません。一番近くで燃料が手に入るのはグウェタ村です。
公園内には水浴び設備付きの小さな公共キャンプ場が2か所あります。一方は公園南部の平野の端にあり、入り口ゲートから2km以内のところに位置しており、もう一方は北部のモパネの木の森にあり、ゲートから8kmのところに位置しています。キャンプする方は、この公園ではよく薪が問題になることに注意しなければならず、小型のガス調理器の利用をおすすめします。どちらにも給水塔があります。
これに加え、ベインズのバオバブがあるところでは略式のキャンプが許可されています。ただし、利用できる設備はなく、水が利用できる一番近い場所は入り口ゲート近くのゲーム・スカウト・キャンプです。
元々は国有地であった1,676km2の土地が1970年に野生動物保護区に指定されました。その後1992年に境界が広げられ、総面積が現在の2,578km2になり、ベインズのバオバブも敷地内に入り、国立公園としてスタートしました。
ナイ・パンの目玉は、入り口ゲートからわずか2kmの地点にある池でしょう。背の低いサバンナアカシアの木立がわずかに点在し、草が生い茂る広大な平野にあり、この池の周辺とモパネの森の中には、ライオンやキリン、クドゥー、インパラ、ダチョウ、美しい鳥たち、多数のスプリングボック、ジャッカルやオオカミギツネ、様々な小型動物が一年中見られます。そして雨が降り始めると、ゲムズボックやゾウ、シマウマがこの地域に移動してきます。シマウマは何千頭にもなり、ナイ・パンで子供を産み、その壮観さは若いスプリングボックの大群にも劣りません。そのため、野生動物を観察するチャンスはさらに広がります。他の多くの公園や保護区は雨季の間はベストシーズンではないと考えられていますが、雨季のナイ・パンはまさにエデンの園となります。
ナイ・パンという名前は、トビウサギを穴から出すために使用したかぎ状の金属棒の名前だという説もあれば、単に塩低地を意味するという説もあります。ナイ・パンは一年を通してアクセス可能ですが、大雨が降る時期は、道路状態は厳しいものになります。
公園内には、特筆すべき興味深い場所が数か所あります。その一つは、「オールド・トレック・ルート」です。この小道は1950年代に開かれ、ンガミランドからパンダマテンガを経由しカズングラに行くための近道として、1963年まで使用されていました。動物管理用の柵が作られるまでは、この道に沿って牛を追っていました。長い道のりを移動する牛と人間に水を提供するために作られていた多くの井戸は、この道を廃止しなければならなくなったときに塞がれましたが、設備を直せば今でも大量の水を供給できると言われています。トレック・ルートにつながった、かつて放牧地だったエリアには、現在はその跡だけが残っています。
オールド・トレック・ルートより前から存在しているもうひとつの興味深い場所は、「ブッシュマンの穴」として知られています。小さなパンがあるエリアの境界付近に位置するこの場所に、ブッシュマンは水を飲みに来た野生動物を狩るときに隠れられる小さな穴を掘り、弓矢の射程が短くなるようにしました。ブッシュマンの穴は今でも見ることができます。