一時はボツワナの首都候補であったロバツェは、国内で標高が最も高い地点であるオツェ山近くの丘陵地にある活気あふれる町です。通り沿いには木々が植えられ、いくらか湿度もあって涼しいところです。ロバツェはハボローネから約65km南にあります。南アフリカとの国境検問所(パイオニア・ゲート)があり、トランス・カラハリ・ハイウェイへの玄関口となっています。
ロバツェでは1960年代前半、ボツワナ初の舗装道路がほんの数キロ作られました。これは、ウィンザー公爵夫妻の行幸のため特別に敷かれたものです。
この地域の最初の大規模集落は、18世紀後半に作られたバングヮケツェ族の村です。後にバングヮケツェ族は、現在の本拠地であるカニェに向かって西に移動しました。ロバツェ周辺には、ングヮケツェ村の石壁(現在、ロバツェ・エステーツと呼ばれる個人の農場内にあるため、ここを訪問するには許可が必要です)をはじめとして、この時代やそれ以前にも遡る興味深い考古学的遺跡があります。バングヮケツェよりも前にこの地域に住んでいたバカラハリ族の一派であるバクヮテンが作った、さらに古い時代の石壁の集落もあります。この集落は、ロバツェの南にある丘陵の斜面に位置し、テニスクラブの反対側にあります。ロバツェという町の名前は、モレバツェ族長にちなんで付けられました。
人口6万人のロバツェには、最高裁判所が置かれており、地質調査局の本部もあります。ハボローネからの流通ルートとンニワネにあるダムのおかげで、ロバツェではいくつかの重要な産業が発展しました。
最高裁判所
ロバツェに入ると、ハボローネからの幹線道路のすぐそばに、ボツワナ最高裁判所があります。元の最高裁判所は、現在の最高裁判所の敷地の裏に位置し、現在は控訴裁判所となっています。当時の裁判長であったハーバート・チャールズ・レイ・コックス卿により開所された1957年以来ずっと、最高裁判所はロバツェに置かれています。当時は、ベチュアナランド保護領最高裁判所と呼ばれていました。ベチュアナランドの行政府は南アフリカのマフィケンにありましたが、最高裁判所は国内になければならないと考えられていました。現在のボツワナ最高裁判所は近代的な建物で、1996年に裁判長により正式に開所されました。
セント・マークス英国国教会
ロバツェで最も魅力的な建築物はセント・マークス英国国教会です。石造りでわらぶきのこの美しい教会は、1934年に建設され、聖別が行われました。主な資金調達者は、ハバート・ゴーイング氏とベチュアナランドストアに勤務していたロバツェ住民のジェプソン氏であり、ジェプソン氏は教会の建築を毎日監督する仕事を引き受けていました。隣にある小さな円筒形の小屋は、司祭が更衣室として使用していました。セント・マークス英国国教会は今でも利用されており、修復活動が行われています。
ボツワナ食肉委員会
ボツワナ食肉委員会の本部と主要な食肉処理場があるため、ロバツェは家畜産業の中心地となっています。食肉・缶詰製造工場が併設されているボツワナ食肉委員会の食肉処理場まで、遠くは500km先のハンツィから陸路で動物が運ばれます。